「亡くなったって……ご病気か何かですか? 事故とか?」
と、駿翔くんが重ねて問うと、
「それが溺死だって。川に頭を押さえつけられたみたいな感じらしいのよ。怖いわよね」
おばさんは自分の腕をさすりつつ、答える。



「溺死? あの、頭を押さえつけられたって……」

「事件かも知れないって」


おばさんは声をひそめた。



「誰かがその人の頭を川に押さえつけて、殺したんじゃないかって……」



(そんな……!)



「誰が亡くなっていたのか、私は知らないんだけど……。怖いわよねぇ、可哀想に……」



おばさんはぶるっと身震いをする。

それから何かを思い出したように、
「あら? あなた達、どこの子? 今日、学校は?」
と、私達を交互に見る。



曖昧に笑ってごまかし、私達はその場から離れた。







「誰が亡くなったんだろう?」

「あのおばさん、明らかに殺人事件って感じでオレ達に話してたけど、本当なのかな?」