次の日。

私は駿翔くんとバスに乗っていた。

午前中。

もう学校が始まっている時間。




「駿翔くん、学校はいいの?」

「いいの。こっちのほうが大事」



即答してくれた駿翔くんに、こっそりときめく。










隣町の図書館は、内日暮村を出てすぐの山の中にある。

村から出ているから、一応、図書館の住所は隣町のもの。

山の中とはいえ、バス停留所のすぐそばに建っているので、比較的行きやすかった。



図書館に着いて。

私達は図書館に設置されている検索機の前に立った。

『内日暮村』、『歴史』を検索画面に入力する。

すると画面には三冊の本の題名が表示された。



「どれも二階の史料棚に置いてあるんだな」

「行ってみよう」



階段を上って右手のほうに、検索結果に表示されていた本棚の番号を見つけた。

私達は頷き合い、目指す本棚へ近づく。





「これ、小学生の頃に調べた本だ」
と、私は駿翔くんにその本を手に取って見せる。