学校には行かないまま。

更に二週間が経った。

定期テストも結局は受けないままだった。



夕方、リビングで夕食の準備の手伝いをしていると。



……ピンポーン。



インターホンのベルが鳴り、お母さんと顔を見合わせた。



和室からおばあちゃんも出てくる。



「私が出る」



おばあちゃんが玄関に向かう。

心配で、お母さんとふたり、おばあちゃんの後を追う。



「どちら様ですか?」

「……開けてー」



!?



少し掠れた、低いおばあさんの声。



「開けてー、話したい」



おばあちゃんとお母さんが顔を見合わせる。



「まさか、また米子さん?」
と、お母さんが小声で言う。



おばあちゃんは、眉間にシワを寄せて頷く。



「開けてー」
と、玄関のドアがトントン、叩かれる。



「何の用だ?」
と、おばあちゃんが厳しい声。



玄関のドアを開けようとはしない。



米子さんは、
「開けてー、話したいー」
と、ドアを叩く。



はぁっと、ため息を吐いて、おばあちゃんは玄関のドアを開ける。