「用事、用事、ある……」 米子さんは玄関の前で丸まったまま、泣きそうになりながら呟く。 「こっちはあんたなんかに用はないんだ!! 帰りな!! 迷惑だよ!!」 と、おばあちゃんが再び怒鳴ると、米子さんが玄関ドアの前から離れた。 「また、来る。また、目覚めさせた子に、会いに、来るからねー」 米子さんが言い終わらない内に、おばあちゃんは玄関ドアを勢いよく閉めた。