……目が覚めると、見慣れた天井だった。

自分の部屋じゃないけど、ここがどこかはわかった。

私の家の、仏間だ。

布団の中で横たわっていた。



「穂希、気がついた?」



お母さんの声。

安心して、私の目の端から涙がこぼれる。



布団から起き上がると、おばあちゃんとお父さんもそばにいた。



「私……」

「穂希、あんた、雑木林から出て来て気を失ったの、覚えている?三軒隣の原西(はらにし)のおじさんがあんたに気づいて、家まで連れて来てくれたの」



お母さんの言葉に、私は黙って頷く。



「何をしていたんだ、雑木林で!」
と、おばあちゃんが怒鳴った。



私の肩がビクッと跳ねる。



「お義母さん、穂希がビックリしますから」
と、お父さんがおばあちゃんを睨む。



「ビックリする? こっちのセリフだ! 穂希、お前、まさか洞窟に近づいてはいないだろうね!?」

「……おばあちゃん、私……」

「近づいたのか!! この馬鹿者がっ!!」



おばあちゃんの大声に、私は泣いてしまう。