男の子は嬉しそうな表情で、
「お父さんも立ち向かった?」
と、尋ねた。



「うん。お父さんはね、お母さんのそばにいて、一緒に調べたり、考えてくれた」

「おぉー!」



「米子さんっていう人が、村を守ってくれたんだよ」

「よねこさん?」

「そう。お母さんに道を示してくれた人」

「しめす?」



男の子の母親は笑って、
「さぁ、手洗いうがいしてきて」
と、男の子に言うと、再び台所に立った。



内日暮村の空を見上げる。

丸い夕日が。

赤く、赤く染まって。

今日も平和に、山に沈んでいく。



















       ーーー完ーーー