「……あるよ」
と、琳音は小さな声で言う。



その時。

琳音がすごく遠いところに行ってしまう予感がした。



もう手が届かないような。

もう会えないような。

そんな予感。






「そばにいるからね」
と、私は琳音に伝えた。



「えっ?」

「私は琳音のそばにいる!」




そう言って、
「だって琳音は希望だから」
と、笑ってみせた。




そうだ。

琳音は希望なんだ。

私にとって、それはずっと変わらない。






琳音はその言葉に涙を見せて、
「穂希が希望そのものだよ」
と言った。