「あなた方は“くれない様”のせいだとわかっていたはずなのに、何かしましたか?」
「し、集会を開いて、今後のことを話し合ったじゃないか!」
男性の反論に、米子さんは鼻で笑う。
「それ、一週間くらい経ってからでしたよね?」
「……!」
「しかもその集会の前に、笹川さんの事件は『なかったことにしよう』と、話し合われている」
「それは!」
「そんな人達に、とやかく言われる筋合いはないわ」
そう言い放った米子さんと、私は目が合った。
「……だけど、そうです。私が須浜さん一家をここに呼ばなかったのは、琳音ちゃんごと“くれない様”を殺す提案を、村の人達にもしたかったからなのよ、穂希ちゃん」
「!」
「……それを、笹川さんの時のように黙認してもらうためにね」
村井のおじさんは、
「なんてことを……!」
と、絶句している。
「米子さん、私の気持ちは変わりません」
と、私は言った。