琳音は、
「あはっ! そこにいるの!? ねぇ、“くれない様”なんでしょう!?」
と、返事を返して、
「早く願いを叶えてよ!!」
と、笑い出した。






「……返事が、あった……」




そう呟いた声が聞こえた。

私や琳音とは違う声。

高くて、鈴の音のように軽やかな声。



「返事があった……!!」



もう一度声がしたと思ったら。






ガタガタガタガタッ!!!






祠がひとりでに揺れ動いた。



恐怖で。

私は声を発することが出来ない。



琳音は嬉しそうに私のほうへ歩み寄ってきた。



「殺されればいいよ!! 私を裏切った罰なんだから!! あんたなんか、呪い殺されればいいんだっ!!!」






バタンッ!!






祠が倒れる。

その音に私や琳音は驚いて、祠に注目する。







ヒタッ。






音がした。



鼻先には、何かが焦げたような臭いがする。