「……米子さんに、友達?」
心底驚いていると、
「あら、失礼ね」
と、庵主さんが笑う。
「いいの、意外に思うのも無理はないわ」
なんて、米子さんも笑った。
(あ……)
初めて見た気がした。
米子さんの笑顔。
「徳ちゃんは、もともとはこの村の人じゃないの」
と、米子さんは説明してくれる。
「よその町で私達、知り合ったの。そこで友達になったけれど、私がこの村に帰ってきて、しばらくしてからかな? 徳ちゃんもこの村にやって来たのよ。お坊さんになって」
「尼さんね」
と、庵主さんは訂正する。
「徳ちゃんも知っているわよね? 光本 穂希さんよ」
と、米子さんは私を見る。
「目覚めさせた子の内のひとりね。それに、陽子さんのお孫さん」
庵主さんは頷き、私を見る。
そして、
「さっきの子は須浜さんのところのお孫さんよね? たしか、琳音ちゃん。あの子が“くれない様”に取り憑かれている子?」
と、米子さんを見た。