「私のことを、わかったように言わないで。わかった気にならないで」
「……」
「この孤独、この疎外感、誰にもわかったようになんか言わせない。あなた達が理解できる時なんかない。私がその命をこの世のものから剥ぎ取る時でさえね」
「!!」
“くれない様”は、震えだした。
私は人が怒りで震えているところを、初めて見た気がした。
それは。
とても悲しく。
寂しい姿に見えた。
「穂希ちゃん!! 明かり!! 明かりを!!」
米子さんが叫ぶ。
ハッとして。
私はポケットに入れていた、スマートフォンを取り出し、画面を“くれない様”に見せた。
「……っ!!」
“くれない様”はその画面を見て、まぶしそうに目を細め、眉間にシワを寄せた。
じりじりと後ずさる。
(やっぱり、明かりが苦手なんだ!)
そう思って少し安心した時。
「……いらない」
と、“くれない様”が呟く。