そして肩を揺らして、笑い出した。
「あはっ、あははははははっ!! 『私達』!?」
「……」
「……」
可笑しそうに笑う“くれない様”の様子が、常軌を逸していて、私も米子さんもそのひととき、呆然としてしまった。
「あはっ、あはははっ!」
米子さんはハッとして、私のそばに寄り、
「穂希ちゃん、大丈夫?」
と、聞いてくれる。
「すみません、米子さん。でも、どうして?」
「あなたの悲鳴が聞こえたから、何かあったんだと思って」
「……助かりました」
「穂希ちゃん、まだその言葉は早いわよ。ほら、見て」
米子さんの視線を辿ると、“くれない様”が眉間にシワを寄せて私をじっと見ていた。
「殺すなら、今よ」
と、米子さんは呟く。
「えっ?」
「琳音ちゃんは諦めなさい」
「そんな!」
「……『私達』なんてひっくるめてほしくない」
と、“くれない様”が言う。