「うぐっ! ぐぅっ!」



喉の奥から、自分の声とは思えないそれが漏れる。



「苦しい? もっと苦しめばいいのよ」



(このままじゃ、本当に死んでしまう……!!)



琳音の腕をぶつ力もなくなり、私の手がだらんと地面に落ちる。

ぼんやりしている視界いっぱいに、“くれない様”の笑顔。






「その子から離れて!!」






声が聞こえた。

この声、もしかして……。




その瞬間、“くれない様”が倒れこんだ。

馬乗りになっていた私の体の上に、“くれない様”の体重がかかる。

だけど、両手が私から離れた!



「うぇっ! ゲッホ!! ゲッホ!!」



鼻や口が自由になり、私は咳き込み、ぜーはー言いつつ呼吸する。



倒れていた“くれない様”は起き上がり、また私に襲いかかろうとするけれど、その頭に木の棒のようなものが振り落とされる。



ガッ!!



鈍い音がして。

私は涙目のまま、その人を見上げた。