「それをすると、“くれない様”にとっては良くないことが起こるんじゃないかな。わからないけれど」
「……」
私はさらに続ける。
「琳音に取り憑いて、村の人を順番に殺すことも、“くれない様”の目的なのかなって思います」
「どういうこと?」
「“くれない様”は私達村人に恐怖を与えて、みんなを順番に殺すことが目的なんじゃないかな。それが自分を追い詰めた村への復讐なのかなって」
「恐怖を与えて殺すことが、目的」
「はい」
米子さんは「ふぅっ」と、長く息を吐く。
「穂希ちゃん、まだここにいられる時間はある?」
「え、あ、はい」
「あなたに見てもらいたいものがあるのよ」