大橋 寛太郎殺人事件と、黛 夕子殺人事件があった1869年以降のページを開く。

パラパラめくっていると。

気づけば1880年代まで進んでいた。

それまでは、特別に気になる事件は書いていなかった。



……だけど、私は見つけた。



【1884年 黛 成次郎(まゆずみ せいじろう)失踪事件】



(黛……!)



黛 夕子の血縁関係にある人なのかな?

心臓がドキドキしてくる。

私はその事件内容に目を通すことにした。



【黛 成次郎は当時三十歳。突然村から姿を消し、五つ年上の兄である黛 政一(まゆずみ せいいち)が失踪届を出したものの、成次郎が見つかることはなかった】



1884年に失踪しなければいけない、何かがあったのかな?

……ううん、自分から失踪したとは限らないよね?

黛 夕子のように殺害された可能性だってある。



(1884年に黛 夕子がもし生きていたとすれば)
と、私は頭の中で計算する。