「あなたは素直ね、穂希ちゃん」
「え?」
「だけど、それだけではダメ。あなたの調べものに対しての採点をするならば、七十五点ってところかな」
「……」
米子さんはココアを飲む。
私も急にのどの渇きを覚えて、ココアをひと口飲んだ。
「だけどそこまで調べたことは、すごいと思う」
と米子さんは言い、
「そうよ、私は黛 米子。黛 圭一の孫娘」
と、笑顔を見せた。
「そして、黛 夕子が“くれない様”というのも、合っている。だけどあなたは『わかったつもり』になっている」
「わかったつもり……?」
米子さんは頷く。
「どういうことですか? 教えてください」
私は米子さんを見つめる。
米子さんはニコッと笑ったけれど、
「言ったはずよ。私は示すだけって」
と、厳しいことを言う。
「そんな!」
「あなたは甘えている。わかる? あなたには役割が与えられていることを」
「役割……?」