「穂希は知らないのかい? 米子の名字は、黛だよ」

「!!」



おばあちゃんの返事で、私は図書館で調べたことの答え合わせが出来たような気がした。

私の隣でお母さんが、
「へぇー、私も知らなかったな。黛 米子っていうんだ、あの人」
と、のんびりした口調で言った。



米子さんは、やっぱり黛 圭一の孫娘。

だけど。

黛 夕子との関係はまだわからない。



「あ、そういえば」
と、お母さんが思い出したように話し出す。



「この間の集会の時に亡くなった、光くんだけど」

「あぁ、あの子ね」
と、おばあちゃんの表情が悲しいものに変わる。



「転落する前に、窒息していたっていう話らしいの」

「窒息!? なんで?」
と、私は驚く。



「村の奥さん達が話していてね。誰かがウワサで聞いたんだって。光くん、直接の死因は窒息で、顔に何か押さえつけられていたんじゃないかって」

「そんな……!」



私とおばあちゃんは顔を見合わせる。