家に帰ってからも。
私は頭の中で。
黛 夕子と米子さんの関係について。
ぐるぐると考えていた。
「おばあちゃん、ただいま」
と、おばあちゃんの部屋に顔を出す。
「帰ったね、良かった」
おばあちゃんは私を振り返って見て、安心したように笑った。
「おばあちゃんに聞きたいことがあるの」
「なんだい?」
「米子さんのこと、何か知ってる?」
私の質問を聞いて、おばあちゃんの表情が険しくなる。
「あんな人のこと、何も知らないよ。お前も気にしなくていいんだ」
「……でも、おばあちゃん」
「米子のことなんか忘れなさい」
おばあちゃんはそう言うと、
「話はおしまいだよ」
と、背を向けてしまった。
どうしてだろう?
なぜ、米子さんは。
村の人から嫌われる存在なんだろう?
過去に何かしたんだろうか?
(黛 夕子のことが関係している?)