「家族からも疎ましく思われて……、挙げ句の果てに命をお金で……」
「……駿翔くん、唄の歌詞、見せて」
暗い気持ちになりつつ、駿翔くんに頼む。
「穂希のスマホに送るよ」
と、駿翔くんはスマートフォンを操作した。
黛 夕子殺人事件のページの前に。
黛 圭一は、あのわらべ唄の歌詞を、三番まで載せていた。
それを駿翔くんがスマートフォンのメモアプリに打って、保存した。
「……歌詞、送った」
「うん。きた。ありがとう」
これで米子さんが伝えようとしてくれたことも、わかるかもしれない。
「このわらべ唄、黛 夕子と関係があるならさ」
と、駿翔くんが話し始める。
「大橋 寛太郎殺人事件と、黛 夕子殺人事件のことを歌ってるんだろうな」
「えっ?」
「ほら、こことここの歌詞見て」
【返せよ 返せよ】と、【みなでゆくぞ お前のところ】を駿翔くんは指差す。