「わからないけれど、米子さんが名字を隠したい理由は祖父の黛 圭一じゃなくて」
「先祖の黛 夕子が罪人だから……」
……確信はないけれど。
そうじゃないかと思ってしまう。
点と点が、線になったような気持ち。
「穂希、これ見て」
と、駿くんは唄の歌詞が書いてあるページのある箇所を指差した。
【1869年 黛 夕子殺人事件】
「どういうこと!?」
「わからないけれど……、黛 夕子も殺されているってことだよな?」
しかも、1869年と書いてある。
それは黛 夕子が、大橋 寛太郎を殺害した年と同じだということに、私達は顔を見合わせた。