「そういうことだと思う。だから、黛 圭一もここに……」
「待って、米子さんが言ってた」
「ん?」
米子さんは繰り返し言っていた。
『唄は真実』
『唄は嘘を言わない』
「米子さんがこの唄の続きを教えに来てくれたのは、“くれない様”が目覚めた頃だった」
「うん。確か、三番まであるって……」
「心のどこかで“くれない様”とこの唄が関係があるから、だから唄の歌詞を教えてくれたんだと思っていたけれど」
「……黛 夕子のほうだったってことか」
でも。
何か引っかかる。
黛 夕子と関係があるのは、明らかだけど。
(米子さんが教えてくれたタイミングを考えると、どう考えても“くれない様”と関係があるって思ってしまう)
「黛 夕子ってさ、黛 圭一とは血縁関係にないのかな?」
と、駿翔くんが呟いた。
「そうなると黛 夕子は、米子さんとも血縁関係にあるってこと?」