私の答えに米子さんはくすくす笑って、
「別に話してもいいのに」
と、ココアを飲んでいる。
「え? 何? 演じているって?」
駿翔くんはまだ理解できずにうろたえている。
米子さんはそんな駿翔くんを無視して、
「共通点のこと、まだわからない?」
と、挑発的な瞳をした。
私は少しだけムッとしてしまい、
「共通点はわからないけれど、他のことでわかったことがあります」
と、話し始めた。
「“くれない様”が起こした事件は、雑木林の祠……、つまり“くれない様”の居場所から、私の家に向かって順番に起きています」
米子さんは特に驚いたふうでもなく、
「そうだね」
と、頷く。
「だけどそれだけがわかっていても、“くれない様”からは逃げられない」
「……米子さん、教えてほしいんです。私って誰かに似ていますか?」
「?」
米子さんはその時初めて、何のことなのかわからないという表情をした。