私達を家の居間に通してくれた米子さんは、温かいココアを出してくれた。
「寒いから。これであたたまって」
「ありがとうございます」
私は受け取ったココアをひと口飲む。
優しくて甘い味がした。
米子さん家の居間には、ホットカーペットが敷いてあって。
直接座ると足元から暖かかった。
置いてあるテーブルにココアの入ったマグカップを置いて、向かいに座る米子さんを見る。
「……“くれない様”について?」
と、米子さんが聞いてきた。
私は頷く。
「あなた、何かわかったの?」
「米子さんの言う、共通点はまだ」
私達が話しているのを黙って聞いていた駿翔くんが、
「えっ、ちょっと待って」
と、割って入ってきた。
米子さんはそんな駿翔くんをじっと見て、
「彼はどこまで知っているの?」
と、私に尋ねる。
「ほとんど全部です。でも、米子さんのことは話していない」
「私? 私のことって?」
「風変わりな人を演じているってこと」