一体何のために?
……おばあちゃんが戻って来た。
原西のおじさんのお母さんを連れて。
「隆志っ!! 隆志ぃぃっ!!」
おじさんのお母さんが、精一杯の速さでかけ寄って来た。
「ああぁあぁっ、隆志ぃっ!! なんでぇっ!!」
おじさんのお母さんはしわしわの手で、横たわるおじさんの頭を抱えた。
ピーポーピーポー……。
サイレンを鳴らして。
救急車と警察がやって来て。
それらより早く、自転車でやって来ていた村の駐在所の警察官のおじさんと、色々と話している。
原西のおじさんの死亡が確認された。
私達は色々聞かれたけれど、警察は米子さんにも話を聞いていた。
駐在さんが、
「この人は、ろくに話しませんよ」
と、止めているのを見たけれど、他の警察官はのらりくらりと話す米子さんと、懸命に会話していた。