「こんな時に誰だ?」
……ドンドンドン!
誰かが玄関のドアを叩いている。
三人で顔を見合わせて。
玄関までやって来た。
「開けてー。話したいー」
その声に聞き覚えがあった。
「米子さんじゃない?」
と、私はおばあちゃんを見る。
「いいよ、放っておこう」
おばあちゃんはそう言ったけれど。
「開けてー。死んでるー」
と、米子さんが言った。
死んでいる?
(まさか、また村の誰かが!?)
私は、止めるおばあちゃんの手を振り払い、玄関のドアを開けた。
「死んでいるって、誰が!?」
ドアを開けて米子さんに尋ねると、
「死んでるー。あのおじさん、死んでるんだー」
と、右方向を指差した。
おばあちゃんもお母さんも玄関のドアから出て来て、私達は米子さんの指差す方向を見た。
「原西の……おじさん……」
道の真ん中で。
原西のおじさんが。
倒れている。