駿翔くんは私が落ち着くのを待って、家まで送ってくれた。
「どうして来てくれたの?」
と尋ねると、
「学校に行こうと思ってたらさ、村の大人達が現象が出ているって騒いでいて」
と、駿翔くんは話し始めた。
「そしたら穂希のおばあちゃんが、穂希を見ていないかって村の人達に聞いて回ってて。直感で雑木林に来てみたってわけ」
「あ……」
「村の人達も雑木林に向かって来ていると思う。オレは走って来たから、一番速かったんだ」
次第に向こうのほうから大勢の足音が聞こえてくる。
「いたぞ!」
「やっぱり雑木林にいたんだ!」
「光本さんに、誰か連絡してあげて!」
村の大人達が私達に近づいてくる中、
「穂希ちゃん!」
と私の名前を呼んだのは、琳音のおじいちゃんだった。
「無事だったのか!! 良かった!!」
と、胸を撫でおろしている。
「琳音のおじいちゃん……、……生きてたよ!」
と言いつつ、私は涙がこらえられなくなった。