「あなたが欲しい……! あなた、くれない?」

「……っ」

「くれないなら……、消えろっ! 消えてなくなれ!!」



“くれない様”の両手に力がこめられる。

首を絞められていて、私は頭の中がボーッとしてくる。



(お父さん、お母さん……、駿翔くん……、私、死ぬかも……)



「死ねっ! 死ねっ! 死ねっ!」



“くれない様”が笑っている。



(……おばあちゃんっ!)



……思い出した。

私、うんと抵抗するつもりだって、おばあちゃんに言ったんだった。

ちゃんと最後まで生きてみせるって。



(大人しく死んでなんかやらない!!)




次第に頭の中もハッキリしてくる。



私は力の入らない手で。

必死に地面を探った。

そして。

何かを掴んだ。



それが何かを確認する余裕はなくて。

そのまま“くれない様”の頭めがけて、打ちつける。



ガッ!!



鈍い音がした。