それは突然だった。
 ある日のHRの時間に全ては始まったのだ。
 そう、禁じられた恋が………


――HRの時間

「あーあ……つまんないの。」
 私、風見千尋は頬杖をつきながらそう呟いた。
 教室を見渡すと、一部の生徒を除いた何人かは私と同じように退屈そうにしている。
 私はため息をついた。

 私は地元の公立高校に通う高校二年生。ピチピチの17才。(古い?)
 自分で言うのも何だけど、元気一杯・自由奔放な女の子。
 成績は……あまり言いたくないけど、まぁ中の下くらいかな。うん。自慢じゃないけど。
 顔はまぁまぁっていうかちょっとは可愛いかな?って感じ。うん。ごめん、調子乗りました……

「風見さん!」
「は、はい!……何でございましょう!」
 急に名前を呼ばれて慌てて返事をする。
「人の話はちゃんと聞いて下さい。」
「はぁ~い……」
 高崎先生に怒られちゃった……
 あ!高崎先生というのは、二年三組の担任の先生。いつもは優しいんだけど、怒るとちょっと恐い。笑ってるんだけど目が笑ってない。まぁ今のは私が悪いんだけどね。

「それでは、二年三組のHR委員長は風見さんでいいですね?」
「賛成ーー!」
「え?え?……えぇ~~!?」
 どういう事なの、これは?何かよくわかんないけど勝手に決まりそうになってるし……
 私が何かしたのか~~!

「え……ちょっと待って!何で私が……」
「だって千尋、手挙げてたから……」
 隣の席の大神桜が言う。桜とは小学校からの親友で……ってそんな事は今はどうでもいい!
 桜に言われて自分の手を見ると、何と右手をピーンと挙げているではないか!
「そ、そんなつもりじゃ……ただ返事をしただけな、の、にぃぃ……」
「よろしくお願いしますね、風見さん。」
 先生に肩をポンと叩かれ、コクンと小さく頷くしかなかった。
 でも…一つだけ言わせて。何でこんな中途半端な時期に決めるの~~!(6月)
 私の心の叫びなどお構い無しに無情にチャイムが鳴った。
「今日はここまで。それではまた明日。皆さんさようなら。」
 先生はそう言い、悠然と教室から出て行った。

「ちくしょう……何で?何でこの私が委員長……二年三組は破滅だわぁぁぁ!!」
「千尋……自分で言ってて悔しくないの?」
「悔しいわよーー!」
 私は桜に抱きついて大声で泣き喚いた。

「どうしよう……」
 桜の呟きも聞こえないほどに……