頬にキスをしたその夜。



すごーく困ることが起こった。



気まずい空気の中で、机の上に置かれた紙切れを二人で眺め続ける。



紙に書かれたのは……。



『今日一日、お父さんもお母さんも居ないから二人で過ごしてね♡』



という。



いやいやいやっ、気まずい今、二人で過ごすなんて無理!!



哀もそれを見た瞬間、固まって動かなかった。



全ては私のせいなんだけど、謝ろうにも恥ずかしくて話を切り出せない。



「……じゃあ飯は俺が作るから」



「全部任せるのは……」



「だとしても紫乃が作った料理は食い物じゃない」



嫌味な言葉は健在。