どうしよう、このまま触れちゃったら……ってぐるぐると思考を巡らせていた。



触れるっ……と思った時、哀が離れていく感覚がした。



片目をチラッと開けると、哀が肩を震わせて笑いを堪えていた。



それを見て、私は遊ばれてたんだってわかって恥ずかしくなる。



「あ、哀!!何してくんの!!」



「だってさ、紫乃︎︎はあいつに迫られてたから誰にでもあんな感じになるのかなって。でも本当に受け入れるとは思わないじゃん」



くくくっと笑ってるのが気に食わない。



でもその整った笑顔は普通じゃない。



本当に罪な男だ。