まさか盗み聞きされてたとか、全く知らなかったから先に言って欲しかった!!



「紫乃はなんでそんなに焦ってんの?」



「はっ、そうだった!!寧音くんが熱で倒れちゃって!!」



「分かった。俺が運ぶから紫乃はもういいよ」



寧音くんの元へ行こうとした所を、哀が手を広げて止めた。



私たちがいた空き教室に哀が入っていって、少し経った頃に肩に腕を回して2人が出てきた。



「う……重てぇ」



ぐったりとしている寧音くんを運ぶのは、結構力のある哀でも一苦労している。



私と理子が二人の後を追っていると、理子が興奮したかのように話しかけてきた。