「あっ、佐々木紫乃さん!!居たんですね。良ければ一緒にご飯食べませんか?」



呼ぶわけがあったんですけど。



笑顔で手を振る寧音くんは、あんな悪人のような顔をするように到底見えない。



けど私はしっかり見たんだから……これが偽りの笑顔だって知ってる。



って……私だけが知ってても女の子の注目を集めちゃうから、何もいいことがないっ……!!



「ねぇ、哀くんどころか寧音くんまで引き連れてるよ……」



「えぇ、嘘。寧音くんは誰のものにもならないって思ってたのに……!!」



私、誰のものでも無いし、寧音くんのことは何とも思ってないのにっ……!!