哀が分かりやすく不機嫌なのを見て、理子が仲裁に入ってくれた。


「まぁまぁ紫乃も恋くらいするからさ……」



「紫乃は恋しなくていいんだよ」



「寧音くんに恋なんてしてない!!」



苦笑いで仲裁に入った理子がとんでもない爆弾を投下。



助けてくれたはずなのに逆効果だよ!



「紫乃はあいつの事なんか考えんな」



「考えたくなくても頭から離れないだ……」



離れないだけ。



そう言おうとしたら、哀が人差し指で私の口を抑えた。



必然的に顔も近づいて、昨日の事故が思い浮かんだ。



ちょっ、なんて止め方してるの……!?



クラスメイトたちもみんな驚いてこっちを見てる!!