「人に迷惑かけたくなかったらしっかり前見た方がいいよ、子猫ちゃん」



にやりと悪人みたいに笑った顔で、私の心臓が取られたみたいに痛くなった。



な、なにこの胸の鼓動は……!!



さっきの明るくて優しい笑顔が……あの笑顔が悪い顔になった時、私の胸は衝撃を受けた。



あれをギャップって言うのかな。



それだけで真っ赤になった私を見て、理子は驚いている。



「えっ、どうしたの!?寧音くんに何か言われた?」



「な、何も無いっ……!!」



寧音くんは秘密の裏の性格があるらしい。







「っ……はぁー」



「紫乃、ほんと朝から変だよ?どうしたの?」



授業中も寧音くんが気になって集中できない。