だけど、部屋から出る前、一瞬振り返った時に見えたものがあった。



哀の部屋にあるタンスの上。



電気が消された部屋はすごく暗くて、全然見えなかったけど微かに見えた。



私と哀が小学生の時、夏休みの宿題で自由工作を作った。



その時のお揃いの写真立てだった。



見覚えがあったその写真立ての中には、こっちに向けて笑いかける中学生くらいの女の子がいた。



それが誰だか分からなかったけど、私と作ったお揃いの写真立てを使って女の子を飾ってるのがモヤッとする。



どう使おうと哀の勝手なのに、なんか私変だな。