だけどもちろんその嘘は見抜かれる。



「いいなぁ、ってやつだ。誰としたいんだよ」



「誰ともしない」



「嘘。誰とやりたいの」



哀に決まってるでしょ!



でもそんなの言えないに決まってる!



「俺は紫乃としたいと思ってるけど」



「は……?」



私と?そんなわけないでしょう……!?



「はぁ。まだ伝わってなかったの?」


呆れたように息をついて、私の顎に片手を添えた。



いつの間にか私の座るソファの右隣にやってきていた。



顔が近くまで迫ってきて、ドキドキが加速する。