昨日の夕方、私は哀の事を好きだと自覚してしまった。



その次の日である朝。



「おい紫乃、なんでこっち向かないんだよ」



「関係ないもん」



どんな顔をしていいのか分からずに、哀と目を合わせられずにいる。



前までどんな顔をしていたのかが分からなくなった。



だって、好きって自覚してしまった時から、顔がにやけて仕方がないのっ……!



いつも以上に哀がかっこよく見えて……。



「うひゃあっ」



「だからなんだって」



気がついた時には哀の顔が近くまで迫っていて、心臓がバクンッと大きく鳴る。