雷が外でゴロゴロ言っているのに、なぜか私の手は緩くなって哀の服を離した。



怖いはずなのに、今は苦しい気持ちで潰されそうだった。




「ごめん、紫乃。さっき何か言った?」



「……ううん。何も無い。それより私の部屋で畳むから。来てくれてありがとうっ……!」



「あ、おい。紫乃!」



どうしても二人の空気が耐えられなくて、私はカゴを持って部屋に駆け込んだ。



「っ、はぁ……」



桜って……女の子だ。



桜っていう女の子のことが気になって、私は壁にもたれかかって俯く。