その音に気がついた哀が、私から目を逸らしてペコッと頭を下げた。



「ごめん。出てくる」



「あっ……うん」



言いかけた言葉の続きを言わずに、私の目の前で通話を始めた。



雷がゴロゴロ鳴ってピクリと反応した。



本当は洗濯物を畳みたいけど、今はそんな余裕なんてこれっぽっちもない。



それどころか哀の服の裾を掴んで居ないと、孤独を感じて死んじゃいそう。



怖くなって哀の服の裾をキュッと掴んだら、哀が通話しながらも私の元に来てくれた。



スマホを片手に、もう片方の手は私の背中をぎゅっと抱きしめてくれる。