私の意思じゃなく、自然と口が開く。



「あ……い」



「ん?」



「わ、わわっ、私のことどう思ってる!?」



無意識だった。



勝手に私の口が走ってて、どう思っているのかをついに聞いてしまった。



それに気がついた時には、哀が顔を赤くして目を逸らしていた。



その反応って……。



ほ、本当に……、そうなのっ……?



「俺は……」



哀が意を決した表情をして私の目を見た。



その意志の強い目から目が逸らせない。



「俺は紫乃のことが……」



哀が言いかけた瞬間。



哀のズボンのポケットに入ったスマホが震え、その後着信音が鳴った。