善意でこうしてくれているんだろう。



幼なじみとはいえ、女の子が苦手な哀が女子と密着なんて……。



「あ、哀っ、もう大丈夫だよ!ありがと……」



ありがとう、と言おうとしたけどその時にも大きな雷音が鳴って、びくりと肩が跳ね上がる。



思わず哀にしがみついて震える体を抑えようとした。



「っ……」



私がしがみついた時に、哀が息を飲んだ。



哀は嫌なのかもしれない。



だけど今だけは許して欲しいっ……。



「お前、意外と可愛いところあるんだな」



「かっ……!?」



可愛い!?



哀が私のことを可愛いって言った……!?