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いつもより早く家を出た紫乃。



俺よりも圧倒的に紫乃の方が足が遅いから、少し遅れて出ても間に合うと思う。



まぁ一緒にいられる時間を、一秒でも長くしたいから早く家を出るんだけど。



早く家を出て俺は早歩きで通学路を歩く。



「紫乃」



思ったより近くにいた紫乃の肩を軽く叩くと、紫乃が少し驚いた顔をして振り返った。



「哀来るの早くない?」



そりゃあ紫乃と早く会いたかったから早く来るに決まってる。



朝から紫乃はめちゃくちゃ可愛い。



なんて言ったら紫乃は引くだろうか。