紫乃は自分で、普通すぎる可愛くない女子だって言ってた。



でも俺はひとつもそう思ったことがない。



髪質はサラサラでストレートの髪、大きな二重の目、笑顔は陽だまりみたいで心を掴まれる。



「哀!?」



俺の名前を読んで驚く反応も可愛い。



何より性格が良くて、誰かが困ってたら放っておけない性格。



二人で朝遅刻した時、重そうな荷物を持ってしんどそうに歩いている高齢のおばさんがいた。



助けようかと思い近づこうとした俺に、自分のカバンを持たせ、すぐさま走っていった紫乃。



『大丈夫ですかっ!?半分くらい持たせてください!』




遅刻なんて有り得ない、といつも言っている紫乃が他人のために遅刻しようとしていた。