クラスメイトのみんなは、私の言葉では響かなかったのに哀の言葉なら響いたらしい。



みんなの張り詰めた緊張の空気が切れて、いつも通り笑い始めた。



「やっぱ嘘だと思ったわー。どうせ船瀬のファンの女子が悪意あってやったことだろ」



「絶対それじゃん!」



「女子ってこえ〜」



男の子たちの気の抜けた声が、どんどん空気を柔らかくして言った。



隣のクラスから駆けつけた人たちも、みんな哀の発言ではけていく。



女の子たちはまだ若干怪しんだ目を向けているけど、哀が言うなら、と渋々納得してこの話をしなくなった。