それでも私は吉田さんがやったなんて信じたくないっ!



じわっと涙が滲んだ時、哀が私の腕を掴んだ。



引っ張られてちょっと腕が痛い、と思った時には哀が私を抱きしめていた。



「ちょ、哀何言う気!?やめて、離してっ」



こんなの、もっと誤解を産んじゃうじゃない。



「紫乃が昨日俺の家に入ったのは用事があったから。同居とかそんなのじゃない」



きっぱりと言い切ってくれた哀に感動した。



それより早く腕離してよ……!



「うん。哀の言う通りだよ。あと離して」



「ごめん」



ぱっと手を離してくれてやっと解放された。