通っていく女の子は小さく悲鳴をあげていて、それと同時に私を嫌な視線で見つめてくる。



……早く離してくれないかな?



さっき言ったのになぜかまだ離してくれないまま。



「……はぁ。結央、離せって」



「あっ、ごめんね?しーちゃんが可愛かったか……」



「立花くん、冗談は良して!というかタメで話しても大丈夫?」



もう、立花くんったら口が軽すぎてすぐに冗談を言いそうになるんだから!



……そういえばあの夜に会った時も、途中からタメ口だった。



先輩だったらやめた方がいいかな?



「あー、それなら全然大丈夫!俺たち同級生だし」



勝手に私の手を取って握手してきて、私はただただされるがまま。