あの子を見た時、私はズキンと胸が痛んだけど、それと同時にドキドキもしていた。



それは嬉しい意味やいい意味ではなく、ただただ何を話しているのか気になってドキドキしていた。



結局私はあの時の女の子について、何も哀に聞けずにいる。



そして、あの時にモヤっとした理由さえまだ分からない。



「紫乃?どうかした?」



思ったより暗い顔をしていたのか理子に心配されてしまった。



「ううん、全然大丈夫!」



4人で歩こうとしたら、後ろから悲鳴が。



えっ、何?



と思って後ろを振り向くと、一人の男の子がずらりと並んだ、女の子の列の間を堂々と歩いている。