肩を小刻みに振るわせながらも必死に言葉を紡いでいる。



「だって、哀くんはみんなの王子様なのに何でこの子と一緒の家に帰ってるのっ……?」



「俺はお前たちのものじゃないし、これからもなるつもりなんてかけらも無い。紫乃のこと気に食わなくても俺は紫乃から離れない」



「哀っ!?」



私から離れないって、言い訳にしてもいくら何でも言い過ぎじゃ!?



そんなのすぐに嘘ってバレ……。



「そうなんだ。……もう帰る」



怒ったようにそっぽ向いて雨の中一人で帰っていく。



その背中が寂しそうで、何だか見てて寄り添いたいって思った。



だけどあんな気持ちにさせたのは私だから、彼女に今近づくなんてできない。