吉田さんに追い詰められていく私を哀は無言で見ている。


「だからっ」


「もういいだろ。これ以上紫乃と俺のことに踏み込んでくんな」



私が再度声を上げた時、哀は私の前に立って強く言ってくれた。



哀の背中に守られて、私は吉田さんと目が合わなくなる。


哀と話す時の吉田さんは頬が赤くて、恋する乙女そのものだったけど、今は恐怖に脅えた顔をしている。



チラリと吉田さんの顔を覗くと、少しずつ涙が滲んでいっているのがわかった。