「ほら~、佐々木さんもいいって言ってるし一緒に食べよ?ね?」



「だから……」



「いいから行こっ!」



─ズキン



彼女たちが無理やり哀の腕を掴んで扉から出ていく。



その様子を見ていたら、私は胸が痛くなった。



せっかく哀が私を誘ってくれたのに、なんで断れなかったんだろう。



でも私は哀の彼女とかじゃないし、引き止める権利なんて無い。



「紫乃ー!一緒に食べよっ!」



「お腹すいたから早く食べよ!」



暗い表情なんてしてたら理子が心配そうな顔をしてしまう。



これ以上は深追いしない方がいい。



私の気持ちはずっとモヤがかかったままで、こうやってたまに痛む理由が見つからないまま。